【施設に関する基礎知識】持病があっても老人ホームに入所できる?
高齢者の中で「何度健康診断を受けても、どこも悪い所は見つからず健康!」と言う方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、健康であることに越したことはありません。
しかし、これまでの生活習慣によって、何かしら持病を持っていたりする方も多いのではないでしょうか?
また、最後まで自宅で過ごしたいという方であれば問題ありませんが、「終の棲家を施設」とお考えの方や、年齢による体力の衰えから自宅での生活が難しくなって…という方は施設に入所できるかを検討しなければなりません。
そんな時、入所を決める大きな要因は3つ、「お金」「介護度」「病気」です。
この3つによって入所できる施設が限られたり入所できなかったりします。
今回は、要因の1つである、「病気(持病)」がある場合入所できるのか?入所の審査対象になる病気についてご説明いたします。
持病がある人は老人ホームに入所できる?
まず初めに「持病があっても入所できるのか?」という問題については、持病がある人は入所できないという訳ではありません。
つまり、持病がある方は持病を理由にみなさん断られてしまう事はありません。
「じゃあ病気を理由に断られることはないの?」というと、そうでもありません。
では、入居できるのか、できないかは何で判断するのでしょうか?
それは、「持病の病気と病気の状態」です!
そのため、入所前に「どんな病気を持っているのか、その病気は現在どのような状態なのか」という事を記入したり、老人ホームのスタッフに質問されたりするでしょう。
老人ホーム側は、その病名や状態を聞いた上で対応できる場合は入所させてくれますし、対応できなければ断ります。
入所の時に審査の対象になる病気とは?
では、どんな病気だと審査の対象になるのでしょうか?
一般的に審査される病気は、
- 糖尿病
- 褥瘡(床ずれ)
- 喘息
- 認知症
- 疥癬(かいせん)
- 肝炎
- 梅毒
- 結核
- HIV
- 筋委縮性側索硬化症(ALS)
- 慢性腎不全
- 癌
- 心臓疾患(狭心症や心筋梗塞の既往)
などです。
他にもいろいろと病名がありますが、基本的に老人ホーム側が知りたいのは、「医療行為がどの程度必要なのか」「感染する病気なのか」「その病気が進行してきたときにその老人ホームで対応できるのか」という事です。
この3点から、入所希望者の持病に対応できるかを検討し「入所可」「入所不可」の判断をしています。
審査対象の持病はあるが入居できる場合がある?
先ほど、審査の対象になるのは「医療行為がどの程度必要なのか」「感染する病気なのか」「その病気が進行してきたときにその老人ホームで対応できるのか」の3点であるとご説明いたしました。
これは、病名だけで断られることもありますが、どの程度なのかという病気の状態によっては入居できる場合があるという事です。
例えば、「糖尿病」の持病があったとしましょう。
その方が、運動や薬で病状が安定していれば特別施設スタッフが何かしなければならないという事はありません。
しかし、インスリン注射(血糖値を下げる注射)を打っている方で自己注射(本人が自分で注射すること)ができない場合は、看護師でないとインスリン注射ができないので注射の回数(1日何回打つのか)によっては、看護師が日中しかおらず対応できないということもあります。
これでは入所を受け入れることはできませんね。
このように、病気そのものがダメというわけではなく、審査対象の持病があっても病気によっては、「病気の状態」と「施設のスタッフが対応できるか」などを検討して入所ができる場合もあります。
しかし、感染症(肝炎・結核・梅毒・HIV・疥癬)がある場合は、他の入所者への感染とスタッフへの感染の可能性があるため、その病名がついているという事で「こちらの老人ホームでは対応できません」と断られることもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、持病があっても老人ホームに入所できるのか、入居審査で対象となる病気にはどのようなものがあるかについて、わかりやすくご説明いたしました。
少しでも役立てて頂ければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。